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李商隠『錦瑟』 ー 僕の大好き詩

2005年12月10日から
2006年8月13日まで


 錦瑟端無くも 五十弦
 一絃一柱 華年を思う
 荘生の曉夢 胡蝶に迷い
 望帝の春心 杜鵑に托す
 滄海 月明らかにして 珠涙有り
 藍田 日暖かにして 玉烟を生ず
 此の情 追憶を成すを待つ可けんや
 只だ是れ当時 已に惘然



 美しい大きな琴 これこそ昔の五十絃ではないのか、
 その絃(いと)の一すじ一すじに 遠い青春の思い出がある。
 荘子は暁(あした)の夢に蝶になり、自分が蝶か、蝶が自分かと思い迷ったという。
 望帝は恋の思いを 杜鵑(ほととぎす)に託したとか。
 南海の蒼い海では、月明の夜に人魚の流す涙はみな真珠となるのだ。
 藍田では、その玉が暖か日さじを受けて、ゆらゆらと煙が立ち上っている
 あの時の私の心は せめて追憶の中にあるのだといえるのだろうか。
 ただあのときは、私の心は恋に焦がれておぼろになっていたのだ。



全部で終わりました。
by kuriym | 2006-08-14 22:08 | ☞ りーちゃん手帳™